我が家のフルーツトマトのはじまり
40年前、農場の片隅。水をほとんどやらないし、夜温が低いが、光は充分にある。そんな所においしいトマトが出来た。ゴルフボールより小さいが、特別おいしい。しかし、このトマトは大きさが3S級。小さすぎて値段が安い。しかしおいしい。
家では子供がこのトマトなら食べる。このトマトしか食べない。これが我が家のフルーツトマトのはじまりだった。フルーツトマトと言う言葉が世に出る前、40年前の事だった。
小袋に入れて、ほんの少し販売した。売れた。このトマトならいくらでも売れる。しかし収量がない。値段を高くしたら…高いと買わないと思った。売れるまでに、味をわかってもらうまでに、時間がかかりすぎると思った。
仕方なくトマト作りは元に戻して、規格のAM級、AL級作りをした。しかし、おいしいトマトを作りたい、多くの人にこの味をわかってもらいたい、そんな思いがずっと続いた。
売れるか売れないかわからないが、直売の道を選んだ。おいしいトマトをわかってもらうために!
不安のスタート
お客様はおいしいものを求めた。一度食べたら忘れられない。行列ができた。1994年、直売に走ったときのことだ。
今日もお客様は並んでくれる。ありがたい。おいしいトマトを求めて、多くのお客さんが来てくれる。そんな中、お客さんの顔を気にする。顔でおいしさがすぐわかる。
今、世代が代わり、息子(農場長)がトマトを栽培するようになった。あのフルーツトマトを食べ続けた農場長が栽培している。トマトを研究している。ブログ「トマト日記」は息子に書かせている。私より詳しくなっている。これからが楽しみだ。これからも、家族・スタッフ一丸となって、おいしいトマト作りを目指していく。
おいしいトマトは、
1、条件の悪い所ほど、おいしいトマトができる。しかし収量が少ない。
2、肥料は有機、魚系の肥料が良い。臭いし醗酵する。
3、水はけが良くなければならない。水を絞ったトマトはうまい。
技術的な話
・土づくり
代かきをして田んぼ状態にしてから、水を落としてカラカラに乾かしてから、不耕起栽培をしている。根が張れないほど硬くなっている。
・肥料
悩んだ末、魚粕系の肥料に行き着いた。今もいろいろな肥料を試している。
・潅水
潅水の仕方が難しい。毎日少しずつ。時間と手間がかかる。
・温度管理・湿度管理
トマトをいじめても可愛がってもよくない。適温適湿がある!そのトマトに合った温度・二酸化炭素CO2を利用している。
・光
自然光が良い。屋根のフイルムを自然光が入るフイルムにした。日照量が大事。
・堆肥
2年寝かせた稲わらを使用。独自の堆肥を通路に入れている。
・土地の素質
技術的にはいろいろあるが、最後は自分の家の土が良い。感謝。人間の素質のようなもので、いくら技術的に頑張ったり、手間をかけても、土が良くなければダメ。いろいろな工夫や努力、試行錯誤はしてきたが、やはり土の質が力を貸してくれる。御先祖様からの土地に感謝。
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